門出を祝う

 

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素敵な女子の門出を祝った。

訪れたのは久しぶりのNYグリル。
多分、娘ちゃんが幼稚園の時以来になるのではなかろうか。

その頃よりちょっぴり値上がりしていたけれども、それでもやっぱりここの平日ランチはお得感と特別感が飛び抜けている。特別な時間をゆっくりと過ごすには今の所私の中ではベスト1かもしれない。もちろん高いお金を出せばいくらでもあるのかもしれないが、やはりこの値段でこれだけのものを用意できるところはそうそうないのではないだろうか。

 

IMG_4967前菜はブッフェで。
この前菜のブッフェが、ひとつひとつ本当に美味しい。
実はこの前にもう一皿食べていて、野菜料理が何種類もたっぷりのっていた。

メインディッシュは、牛肉のサーロインステーキをいただく。
昼間から赤ワインでほろ酔いである。

話をしていたら、たまたま勉強の話になって、息子くんが二浪生活に突入したんだよ、とため息交じりに本日の主役にグチったら、
「長い人生のうち、この時期の2年なんて誤差範囲ですよ。うまくいかなくて考えた人の進路には力があって、学生生活見てても絶対に楽しそうです。はじめからこれになるってはっきり決まっていて、それに向かって抜かりなくやる、なんてそんなの嘘くさいです」

とサラッと事も無げに話してくれて、フッと楽になった。

親になると、どうしても近視眼的になってしまう。
ほとんど娘のような年代の彼女に教えてもらった。

IMG_4968デザートは席を移動して、これもまたブッフェである。
そして嬉しいことに飲み物はお代わりできる。
デザートにはフルーツもたっぷりと置かれている。

全種類制覇したかったが、全く無理だった。
ああ胃袋がもうひとつ欲しい。
この写真のイチゴタルトとチョコケーキは本当に美味しかった。

とっておきの時に、とっておきの人と訪れる場所のひとつである。

 

New York Grill
新宿区西新宿3丁目7−1−2 パークハイアット 東京 52階

03-5323-3458

吉祥寺てくてく

くすのきの会の自助グループ活動は、今年で2年目になる。
毎月一回、定期的に会を開くことができてきた。
出会えてよかった、もっと早く知りたかった、と仰ってくださるお声を聞くにつれ、もう少し武蔵野市に根付いた活動にできたら良いな、と考えるようになった。
そのための作戦会議にもう一人のメンバーと一緒に、その道に詳しい友人宅へ。
今日のタイトルは、その友人のいつもの表現を拝借した。

地元で地道に様々な活動を積み重ねてきた友人の知恵と人脈はすごいもので、あっという間に数方向の道筋をピックアップし、必要な手続きなどを教えてくれ、そのうち最も有力であろう人物と話をする手はずを整えてしまった。ここまで、約一時間。
実際はその間に、コーヒーを入れたり、持ち寄ったおやつを食べたりしているので、実質ものの30分とかかっていないだろう。惜しげもなく、力を貸してくれる友人に心から感謝である。

お話を聞きに、社会福祉協議会まで、3人でてくてく。
友人は、進行性の目の病を患い、白杖の人である。
彼女と一緒に街を歩くと、いかに世の中は「できて当然の人たち」のために作られているのかを痛感する。ほんの少しの段差が、ちょっとした変化が、とてつもない障害となって立ちはだかるのだ。

知識として知っているつもりでも、実際に友人と歩くことでその「知っている」は全くの嘘っぱちだったことに愕然とする。曲がりなりにも医療の仕事をしている私だってそんなもんなのだから、当たり前に生活している人たちには、想像をしろという方が難しいのかもしれない。
でも、たとえ嘘っぱちであっても知っていなければならない。これは教育の役割なんだろう。

そして、当たり前は絶対にない、ということは、仕事を通して知っている。
誰だっていわゆる「できない人たち」の方になる可能性がある。
それは事故でなのかもしれないし、病気でなのかもしれないし、歳をとることでなのかもしれない。自分だけのことではない。家族の誰かがなることだってあるだろう。

それを忘れてはいけないと思う。
そのための社会福祉制度なのだ。
昨今の自己責任の風潮は、真綿で首を絞められているようでそら恐ろしい。

 

友人に社協の職員さんをご紹介していただいた。
公的な仕事でしかできないことってたくさんあると思う。社協で取り扱っているような内容のこともそうだ。今日ご紹介いただいた職員さんは、これこそ、公だ!と思わせてくださる仕事っぷり。本当に素敵な方におつなぎいただいて感謝である。どうかこれが良い出逢いになりますように。

 

帰り道、友人が「すっごい良いカフェがあるから寄っていこう!」と誘ってくれて、ちょっぴり足を延ばし、『四歩』に行く。

はい、どハマり。
もろ好み。

吉祥寺は好きな街でしょっちゅう行くが、実のところ駅周辺でのことでしかなくて、ここまでの範囲はなかなかカバーできない。ちょっと離れた、え?というようなところに名店があるのも吉祥寺の面白さだ。

 

『四歩』と書いて、しっぽ、と読む。
美味しいほうじ茶を、素敵な木の急須と器でいただいた。

 

お食事も本当に美味しそう。
次回は絶対に食事をしなければ。

販売している雑貨や道具も秀逸。

 

『四歩』
武蔵野市吉祥寺北町1-18-25
0422-26-7414
https://www.sippo-4.com

おうちにいる日

まるまる1日どこにも行かず、おうちにいる日がないと、後からじわじわと精神的に追い詰められるような気がする。

母に言わせれば、小さな頃から外に遊びに行ってばっかりで、まったくじっとしていない子どもだったらしいが、やはりこれも大人になってしまったから、ということなのでしょうか。
いやいや、私の記憶によれば、絵を描いたり粘土をしたり本を読んだり、結構おうちの中じっとやる遊びも好んでいたような気がするのだけど。
母がそう言うのであれば、母から見た私はそうなのだろう。

多分家事を担うようになって、自分が外に出ることでやらずに放置される家事がどの辺りまで溜まっていくのか、脳内スケールで予測がついているからなのだ。
1週間毎日、短時間でも出てしまうと、必ず家事に歪みが出る。それでもって、ああ、洗濯物が、掃除が、ゴミが、諸々の書類が・・・と頭の中で警報を発する。いつも『あれをやらなくちゃなー』と何かが気になっているので、あまりにスケジュールが立てこんでしまうと脳内で疲れてしまうのだと思う。

前置きが長くなってしまったが、今日はほぼ強制的に何も予定を入れず1日おうちにいたので、娘ちゃんのリクエストを聞き、久しぶりに焼き菓子作りをした。
焼き菓子を作るようになったのは、まだ下の娘ちゃんが生まれて間もない頃のことだ。
慣れない土地での年子の子育てで、とにかく必死だった頃。
自分の時間らしい時間が一切取れない中、唯一何にも中断されず自由に使える時間が深夜だった。かといって、子どもを置いて出かけるわけにもいかず、誰かと話せる時間でもなし、爆発しそうになった私が見つけたストレス解消法は、お菓子を作ることだった。

それも、クッキーの生地を混ぜる、なんていう可愛らしいものではいけない。
とにかく一心不乱に打ち込めるものではないと。

泡立て器(当時はハンドミキサーなんていうものは持っていなかった)で卵白を角の立つまで全力で泡立てる。
バターをクリーム状に練って、鬼のように卵液を混ぜ込む。

深夜1時ごろ、ひとり台所で無言で卵白を泡立てる20代ママ。
ちょっと、いやかなり怖いかも。
しかも、この焼き菓子は食べる人の当てがない。
夫くんは月の半分以上いなかったし、子どもたちはまだこんなお菓子を食べられるような歳でもなく。かといって、あげられるような友達もできていなかった。かくして、せっせと自分で食べる羽目になり、パツパツに肥えておりました(笑)

振り返れば、相当やられていたのだなあと思う。
小さい子を育児しているママが、もし夜な夜な一心不乱に卵白を泡立てていたら、どうか何をおいてもリフレッシュ休暇を差し上げて欲しい。

その経験も決して無駄にはならなくて、そんなに凝ったものでなければ安定して美味しくケーキを作れるようになった。
子ども達が小さな頃はお土産だったり、一品持ち寄りだったりに焼き菓子は随分活躍した。
お誕生日ケーキも、買う物ではなくて作る物になった。

 

その中でも評判の良い、紅茶のシフォンケーキと、アップルクランブルケーキを。
アップルクランブルケーキは見た目はちょっとゴツい?が、切ると中はしっとりで控えめな優しいケーキ。

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上のクランブルが大好物

手作り味噌ミニ講座

アドラー子育てを学んでいるくすのきの会の仲間と、今回は趣向を変えて手作り味噌を学ぶ会を開催した。
ことの始まりは、味噌って作るととても簡単なんだよ、というおしゃべりから。じゃあ、私毎年作っているからやっちゃう?と今回の企画へ。

味噌は15年くらい前、初めは生協のカタログにあった手作り味噌3キロセットから始めて、翌年もう1セット買い足して、それでも足りなくなって、ついには7キロくらいは仕込める本樽を購入するまでになった。

手前味噌を作るようになって、せっかくだから材料もいいものを使いたいよね、と思って色々調べ出したら、食の後ろにある様々な事情が見えてくるようになった。それでナチュラルフードインストラクターの講座に通ったのだ。
学びの中で私自身がびっくりしたこと、これは知らないといけないな、と感じたことを少しでもお伝えできたらいいなと考えて、ただ作り方だけではなくて、使い材料の背景についても加えてテキストを作ってみた。

 

食から見えてくること


味噌は日本人にとってとても身近な材料で作られた調味料だ。
大豆、塩、麹(米)それだけ。

大豆は、実にその消費量の95%に迫る勢いで輸入に頼っている。大豆の自給率はたったの5〜6%。あれ。おかしいじゃない。スーパーにある豆腐、国産って書いてあるのがたくさんあるよ。そう。おかしいのだ。
現在の政府による規定では、小麦や大豆は国産の原料が50%以上使用されていれば「国産」と明記することができることになっている。51%国産大豆で49%が輸入大豆でも「国産大豆使用」と書けてしまうから、こういう不思議なことが起きてしまう。

塩は、1905年に塩の専売法という法律が制定されて、それが1997年まで続いていて、ずっと国が製造供給を管理していた。今は実にいろいろな塩を手に入れることができるけれども、本当にここ最近のことなのだ。塩の専売法、元々は日露戦争で軍事資金が不足した政府が、最も効率的に資金を集めるために制定したもの。なんということ!
それまでは日本各地でバラエティ豊かな塩が作られていたが、国が一元管理したことにより、そのほとんどが姿を消すことになる。(現在は少しずつ復活している)

食べ物について、少し調べてみると、様々なことが見えてくる。
私たちの食は、思いもかけないところからコントロールされているのかもしれないと思う。
ナチュラルフード、オーガニック。
そういうものに興味があるのならば、もうひとつ先に視野を広げて「ナチュラル」「オーガニック」とはなんなのか、私たちは知る必要があると思う。

 

そんなきっかけになったらいいな、と思いつつ、製法や産地違いの塩比べをしてみんなで楽しくテイスティング。

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人に教えるということ

木曜日に控えた手作り味噌講座に備えて、味噌作りに関するテキストをしばらく前から作成している。

味噌作りは、自宅用にはもう15年は毎年続けていて自分的には結構手慣れた作業なのだけれども、その分、勘や感覚でなんとなく調整していることも多くて、改めてこれを言語化しようとすると、とても難しい。

自分の手順を何度も頭の中でリプレイして、ひとつひとつ順番に文字に起こして行く。
途中、はて、とわからなくなって、実際の道具を見にいったり、実際の重さを測ってみたり、計算してみたりして、いちいち作業が止まるので、やたらと時間がかかる。
そんなこんなして、遅々と進まず、直前まであたふたしております。

けれども、人に教えよう(シェアしよう)と思った時に、なんで自分は味噌を手作りしてみようと思ったのかな、とか、買う方が簡単なのに手間をかけるのはなんで?とかそもそもの自分の思いを振り返ることにもなって、忘れかけていた自分の立ち位置にグラウンディングできたような気持ちになった。それから、やはり誰かに伝えようと思ったら、いい加減なことは言えないので、ひとつひとつ、話の出典を確かめながらテキストに書いたり、ナチュラルフードインストラクター講座の時のノートをめくったり、今回のことをきっかけに、新たに自分の曖昧にしていたことも再学習できた。

インプットばかりしていないで、アウトプットすることが自分の学びもステップアップさせることにつながるんだな、と改めて実感中・・・。

そして、こんな作業をしていたら、「あーやっぱり食べ物周辺の話は勉強すればするほど面白いなあ」とまた興味が再燃してきたりして、近々、インストラクターの講座でお世話になった先生の元へまた教わりに行こう、と思ったのでした。

 

なんやかんや言って

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イギリスはケンブリッジで働いていましたが、今はチューリッヒで働いています。

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